アレルギーとは何?原因は?
アトピー性皮膚炎→(その他の症例ページへ)、気管支喘息、花粉症を含むアレルギー性鼻炎などが代表的なアレルギー疾患
アレルギーも生活習慣病などと同じ多因子遺伝子性疾患で、複数の遺伝子が関与するアレルギーになりやすい体質をもつ人がアレルゲンに接触することにより発症する疾患と考えられています。
遺伝子が短期間に変化することは考えられないので、先進国でアレルギーが急増している主要な理由が環境要因であることは間違いないでしょう。
例えば、日本でスギの植林が盛んに行われたために、最近になってスギ花粉というアレルゲンが環境中に増え、スギ花粉症患者増加につながっています。
また気密性が高まった屋内でダニが増えやすい環境になっています。さらに乳幼児期に細菌などが少ない清潔な環境にいると将来アレルギー疾患にかかりやすくなる(衛生仮説)ことも報告されています。
血液中には白血球があり、その中にT細胞と名付けられたリンパ球があります。
T細胞はTh1細胞とTh2細胞に分化しますが、人の免疫反応はTh1とTh2のバランスの上に成り立っていると考えられています。
Th1は、インターロイキン2(IL-2)やインターフェロンガンマ~Th2はIL-3、IL-4、IL-5などのサイトカインという物質を作ります。
アレルギー疾患の人は、Th2がTh1よりも優位でアレルゲンが入ってくると、Th2由来のサイトカインは、細胞を活性化させ、そのアレルゲンに対する免疫グロブリンE(IgE)を作ります。
病院では、アレルギーの原因となる物質を調べることがありますが、これは血液中に存在するダニや花粉などに対するIgEの量を測定しているのです。
このIgEがアレルゲンと反応すると、血液中の肥満細胞と名付けられた細胞からヒスタミンやロイコトリエンが放出されます。これが鼻の粘膜、皮膚、気管支に起こると、それぞれアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、気管支喘息を発症するのです。
アレルギーは必要な免疫反応が過剰になっている状態なので、鼻粘膜、のど粘膜、胃腸の粘膜のバリアを強化する必要があると考えます。